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論文

Studying the impact of deuteron non-elastic breakup on $$^{93}$$Zr + d reaction cross sections measured at 28 MeV/nucleon

Chillery, T.*; Hwang, J.*; 堂園 昌伯*; 今井 伸明*; 道正 新一郎*; 炭竃 聡之*; 千賀 信幸*; 大田 晋輔*; 中山 梓介; 他49名*

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2023(12), p.121D01_1 - 121D01_11, 2023/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)

重陽子は弱束縛系でありクーロン力と核力の下で容易に陽子と中性子に分解する。これまでの実験からは、核子当たり50から200MeVといった高入射エネルギーではこの分解過程が残留核生成に大きな影響を与えることが示されている。しかし、核子当たり50MeV以下のエネルギーでの断面積データはまだ不足している。本研究では、BigRIPSセパレータ、OEDOビームライン、SHARAQスぺクトロメータを用いて、$$^{93}$$Zr+d反応断面積を核子当たり約28MeVにおいて逆運動学法を用いて測定した。本研究で得られた断面積を過去の測定結果や理論計算と比較した。重陽子の分解の効果を定量的に考慮したDEURACS計算により実験データがよく再現された。本研究で測定された低エネルギー領域におけるデータは、将来の核廃棄物処理施設の検討に役立つと考えられる。

論文

プルトニウムの体外排出に向けたキレート剤による除染に関する基礎検討; X線吸収分光法によるプルトニウム模擬元素とキレート剤との結合性評価

上原 章寛*; Shuhui, X.*; 佐藤 遼太朗*; 松村 大樹; 辻 卓也; 薬丸 晴子*; 城 鮎美*; 齋藤 寛之*; 田中 泉*; 石原 弘*; et al.

X線分析の進歩,53, p.223 - 229, 2022/03

体内にアクチニドなどの放射性物質が取り込まれると、生体内配位子がアクチニドと化合物を生成し、体内滞留の原因となりうる。本研究では、アクチニドを体外に排出させるためのキレート剤の結合性評価を行うため、キレート剤と結合した元素の局所構造をX線吸収分光法によって解析し結合力を評価した。プルトニウム模擬元素としてジルコニウム(Zr),キレート剤として、EHBP(1-hydroxyethylidene-1,1-diphosphonate)およびDTPA (diethylenetriaminepentaacetate)を用いた。ZrはEHBPと八面体構造の錯体を形成するとともに、Zr-EHBP錯体はZr-DTPA錯体より強い結合を有することが分かった。これらの知見は、放射性元素による内部被ばく線量評価や、放射性元素を体外に取り除くための適切な除染方法の提案につながる。

論文

Speciation on the reaction of uranium and zirconium oxides treated under oxidizing and reducing atmospheres

上原 章寛*; 秋山 大輔*; 池田 篤史; 沼子 千弥*; 寺田 靖子*; 新田 清文*; 伊奈 稔哲*; 武田 志乃*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*

Journal of Nuclear Materials, 559, p.153422_1 - 153422_11, 2022/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Materials Science, Multidisciplinary)

The reaction products were analysed by a combination of powder X-ray diffraction (PXRD) and X-ray absorption spectroscopic measurements of the U L$$_{rm III}$$- and Zr K-edges. Under an oxidizing atmosphere, the formation of U$$_{3}$$O$$_{8}$$ and U$$_{2}$$Zr$$_{5}$$O$$_{15}$$ was observed in equilibrium with UO$$_{2}$$, monoclinic-ZrO$$_{2}$$, and tetragonal-ZrO$$_{2}$$. However, when O$$_{2}$$ gas was purged through the reaction tube during the cooling process to room temperature, pentavalent U in ZrU$$_{2}$$O$$_{7}$$ was produced by the oxidation of solid solution UO$$_{2}$$ formed at $$>$$ 1774 K during the temperature dropped at $$<$$ 1473 K. Under the inert atmosphere, mixed oxides of uranium were found to form at $$>$$ 1673 K due to a low concentration of O$$_{2}$$ impurity with the Ar gas. This study can pave the way for understanding the interaction between the nuclear fuels and the cladding materials in damaged reactors enabling further simulation of possible decontamination procedures.

論文

Electrochemical recovery of Zr and Cd from molten chloride salts for reprocessing of used nitride fuels

村上 毅*; 林 博和

Journal of Nuclear Materials, 558, p.153330_1 - 153330_7, 2022/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)

使用済TRU窒化物燃料の再処理方法として研究開発が行われている化学溶解法は、塩素化剤を用いて溶融塩へ使用済燃料の溶解を行い、還元抽出法などによって溶融塩からTRUを分離回収する方法である。使用済燃料溶解の工程(化学溶解工程)では、窒化物等との化学反応によって消費されるよりも多くの量の塩素化剤(CdCl$$_2$$及びZrCl$$_4$$)を使用する必要があることが知られており、これらの成分が還元抽出法によるTRU分離に影響を及ぼすことが懸念されている。本論文では、化学溶解工程後に溶融塩中に残存するZr及びCdを選択的に回収する電解回収プロセスを付加することによってこれらの成分の影響を低減すること、及び回収したZr及びCdを塩素化剤として再利用することを提案した。また、化学溶解工程の条件及び電解回収の進行に伴い変化する溶融塩中のCdCl$$_2$$とZrCl$$_4$$の濃度比が電解回収プロセスへ与える影響を確認するため、LiCl-KCl共晶溶融塩(723K)中のZrとCdの電解挙動を明らかにする試験を行った。ZrとCdを選択的に回収するため、液体Cdを陰極として用い、TRUの還元電位よりも高い電位(-1.05V (vs. Ag/AgCl))において定電位電解を行い、広い範囲のCdCl$$_2$$/ZrCl$$_4$$濃度比においてZr及びCdの回収が可能であり、その電流効率はほぼ100%であることを確認した。

論文

再処理施設におけるジルコニウムの応力腐食割れ評価に関する考察

橋倉 靖明*; 石島 暖大; 中原 将海; 佐野 雄一; 上野 文義; 阿部 仁

保全学, 19(3), p.95 - 102, 2020/10

プルトニウム濃縮缶を対象とし、硝酸及び硝酸ナトリウム水溶液を用いて、印加電位を制御した定荷重引張試験及び電気化学試験を実施した。その結果を用い、硝酸濃度-き裂発生電位マップを作成した。また、応力腐食割れの可能性を評価する際には、硝酸だけでなく、硝酸塩に配位した硝酸イオン濃度も考慮する必要があることが明らかとなった。

論文

Zr separation from high-level liquid waste with a novel hydroxyacetoamide type extractant

森田 圭介; 鈴木 英哉; 松村 達郎; 高橋 優也*; 大森 孝*; 金子 昌章*; 浅野 和仁*

Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.464 - 468, 2019/09

高レベル放射性廃液(HLLW)には種々の長半減期核種が含まれており、地層処分における環境影響を低減させる観点からマイナーアクチノイドと長寿命核分裂生成物(LLFP)を分離し核変換することが望ましい。原子力機構と東芝はHLLWからLLFPであるSe, Zr, Pd及びCsの分離法を開発した。我々は新規ヒドロキシアセトアミド型抽出剤${it N,N}$-ジドデシル-2-ヒドロキシアセトアミド(HAA)を用いたHLLWからのZrの抽出挙動について詳細に検討を行った。HAA抽出系はZrに高い選択性を示し、抽出序列はZr $$>$$ Mo $$>$$ Pd $$>$$ Ag $$approx$$ Sb $$>$$ Sn $$>$$ Lns $$>$$ Feであることを確認した。また、抽出化学種をZr(HAA)$$_{3}$$(NO$$_{3}$$)$$_{4}$$(HNO$$_{3}$$)$$_{x}$$と同定し、ミキサセトラを用いた連続向流抽出によって模擬HLLWからZrとMoが定量的に抽出可能であることを実証した。

論文

Extraction performance of a fluorous phosphate for Zr(IV) from HNO$$_{3}$$ solution; Comparison with tri-$$n$$-butyl phosphate

上田 祐生; 菊池 圭; 杉田 剛; 元川 竜平

Solvent Extraction and Ion Exchange, 37(5), p.347 - 359, 2019/07

 被引用回数:8 パーセンタイル:34.18(Chemistry, Multidisciplinary)

リン酸トリブチル(TBP)を用いた従来のPUREXプロセスにおいて多量のZr(IV)が含まれる場合、抽出錯体,遊離の抽出剤,酸、および水の凝集を起源として生成する不溶性の第三相や沈殿による目的物の抽出阻害が問題であった。本研究では水にほとんど溶解しないフルオラス化合物に着目し、TBPと同一のリン酸エステル構造を有するフルオラスリン酸エステル抽出剤を合成し、本抽出剤のZr(IV)抽出特性,抽出機構、および第三相生成の抑制効果をTBPと比較検証した。開発した新規抽出剤は、TBPと比較し第三相の生成を著しく抑制するとともに、幅広い硝酸濃度領域においてTBPよりも高いZr(IV)抽出能力を示すことが明らかとなった。

論文

The Effect of final heat treatment at fabrication on the terminal solid solubility of hydrogen in Zry-4

山内 紹裕*; 天谷 政樹

Proceedings of Annual Topical Meeting on Reactor Fuel Performance (TopFuel 2018) (Internet), 7 Pages, 2018/10

Zry-4被覆管の昇温時の水素固溶限に及ぼす製造時最終熱処理の影響を調べるため、予備水素吸収させた冷間加工、応力除去焼きなまし、再結晶焼鈍しZry-4被覆管を用いたDSC測定を50-600$$^{circ}$$Cの範囲で実施した。得られたDSC曲線及び金相写真から、水素化物の初期状態が水素化物の固溶挙動に影響を与えることが示唆された。本試験で得られたTSSD温度及び水素濃度のアレニウスプロットより、冷間加工材が最大のTSSDを示し、次いで応力除去焼きなまし材、再結晶焼きなまし材の順であることがわかった。本試験の結果は、Zry-4被覆管の製造時最終熱処理に起因する微細組織の違いが水素化物の固溶挙動に影響を及ぼすことを示唆した。

論文

Reaction of hydrogen peroxide with uranium zirconium oxide solid solution; Zirconium hinders oxidative uranium dissolution

熊谷 友多; 高野 公秀; 渡邉 雅之

Journal of Nuclear Materials, 497, p.54 - 59, 2017/12

 被引用回数:13 パーセンタイル:78.05(Materials Science, Multidisciplinary)

ウラン・ジルコニウム酸化物固溶体[(U,Zr)O$$_{2}$$]のH$$_{2}$$O$$_{2}$$との反応についての理解は、(U,Zr)O$$_{2}$$組成を持つ溶融燃料の放射線環境下での劣化を評価するためには不可欠である。そこで、(U,Zr)O$$_{2}$$粉末試料を用いて、H$$_{2}$$O$$_{2}$$によるUの溶出を調べた。H$$_{2}$$O$$_{2}$$反応量に対するU溶出の収率を測定した結果、(U,Zr)O$$_{2}$$のU溶出収率はUO$$_{2}$$と比べて著しく低いことが明らかになった。そのメカニズムを調べるため、H$$_{2}$$O$$_{2}$$の反応によるO$$_{2}$$の発生を測定したところ、O$$_{2}$$発生量とH$$_{2}$$O$$_{2}$$消費量は1:2の比であり、H$$_{2}$$O$$_{2}$$の不均化反応の化学量論と一致した。この結果から、(U,Zr)O$$_{2}$$のH$$_{2}$$O$$_{2}$$による酸化的溶解が抑制された理由は、不均化反応への触媒活性と考えられる。さらに、同時に行った(U,Zr)O$$_{2}$$のラマン分光分析の結果も触媒的不均化反応を支持しており、これらの結果から、H$$_{2}$$O$$_{2}$$による酸化的溶解反応に対して、(U,Zr)O$$_{2}$$はUO$$_{2}$$よりもはるかに安定であることが明らかになった。

報告書

5,8-ジエチル-7-ヒドロキシ-6-ドデカノンオキシムによるPd抽出分離プロセスの開発

森田 泰治; 山岸 功

JAEA-Research 2017-006, 27 Pages, 2017/06

JAEA-Research-2017-006.pdf:1.83MB

オキシム系抽出剤5,8-ジエチル-7-ヒドロキシ-6-ドデカノンオキシム(5,8-diethyl-7-hydroxy-6-dodecanone oxime: DEHDO)によるPd分離について、バッチ抽出及び連続抽出試験によりプロセス構築の可能性について検討した。DEHDOのドデカン溶液を用いたバッチ抽出試験では、Pd, Zr, Mo以外の元素は抽出されず、DEHDOの選択性が高いこと、しかし、抽出速度はやや遅いこと、また、白色沈殿の生成があるが、加温により防止できることを明らかにした。また、PdのDEHDO溶媒からの逆抽出法として、亜硝酸を用いる方法を見出した。連続抽出試験では、98%のPd抽出率を得るとともに、1M硝酸に亜硝酸ナトリウム溶液を逐次添加する方法で95%程度のPdを逆抽出できることを示した。Zr, Moの同時分離を想定した連続抽出試験も実施し、MoがPdとともに分離できる可能性を示した。しかし、抽出部の水相には白色沈殿が生成しており、本手法を分離プロセスに適用するにはこれを防止する方法の開発が必要である。

論文

Simulation study of sludge precipitation in spent fuel reprocessing

竹内 正行; 粟飯原 はるか; 中原 将海; 田中 耕太郎*

Procedia Chemistry, 21, p.182 - 189, 2016/12

BB2016-0225.pdf:0.61MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:81.17(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

再処理溶液での沈殿挙動を評価するため、電解質熱力学モデルによるシミュレーション技術の開発を実施した。シミュレーション結果については、非放射性の10元素共存の模擬高レベル放射性廃液や3元素共存系のPu-Mo-Zr溶液での実験結果と比較し、その信頼性を検証した。その結果、シミュレーションと実験結果は沈殿物の大部分がモリブデン酸ジルコニウム二水和物であることを示しており、シミュレーション結果は実験系における沈殿物の化学形態や量のデータを良く再現していた。以上より、本研究では熱力学シミュレーションが再処理溶液からの沈殿状況を評価する有効なツールであることを示した。

報告書

Zr-93の質量分析を目的としたZr-91濃縮安定同位体標準液の調製

今田 未来; 浅井 志保; 半澤 有希子; 間柄 正明

JAEA-Technology 2015-054, 22 Pages, 2016/03

JAEA-Technology-2015-054.pdf:3.44MB

ICP-MSを用いた同位体希釈質量分析法(IDMS)により、使用済燃料や高レベル放射性廃棄物中に存在する長寿命核種Zr-93を定量するためのスパイクとする標準液を、Zr-91濃縮安定同位体標準(以下、Zr-91標準)を金属の状態で入手し溶解して調製することとした。Zr-91標準を溶解する前に、模擬金属Zr試料を用いて溶解条件を検討した。最適な条件であった3v/v% HF-1 M HNO$$_3$$混合溶媒0.2mLによってZr-91標準2mgを溶解し、1M HNO$$_3$$を用いて希釈して濃度を約1000$$mu$$g/gとした。市販のZr元素標準液をスパイクとして、ICP-MSを用いたIDMSによりZr-91標準溶解液の濃度を(9.6$$pm$$1.0)$$times$$10$$^2$$$$mu$$g/gと決定した。定量結果が予測したZr濃度と一致したことから、Zr-91標準溶解液は化学的に安定な状態で存在していること、及びZr-91標準溶解液中の不純物測定結果から不純物の有意な混入がないことを確認した。これらの結果から、調製したZr-91標準溶解液は、Zr-93分析用の濃縮安定同位体標準液として十分な品質を有していることが示された。

論文

Hydrogen generation by water radiolysis with immersion of oxidation products of zircaloy-4

松本 義伸*; Do, Thi-Mai-Dung*; 井上 将男; 永石 隆二; 小川 徹

Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1303 - 1307, 2015/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:33.25(Nuclear Science & Technology)

酸化物等の固体材料が水中に添加されると、放射線分解による水素発生が増大することが知られている。本研究では、シビアアクシデント後のデブリが共存する炉水からの水素発生挙動を予測するため、水の$$gamma$$線分解による水素発生に対する、ジルコニウム酸化物またはジルカロイ4の酸化生成物の添加効果を調べた。$$gamma$$線のエネルギーが水と酸化物に与えられ、それぞれで独立して水素が発生するとした場合の、酸化物の寄与分は水中に共存する重量分率の増加とともに飽和に達する傾向を示し、海水中よりも純水中の方が顕著であった。また、その寄与分は結晶構造や組成によらず、粒子サイズあるいは比表面積に強く依存していることがわかった。

論文

Comparative molecular simulation studies of oxidation reactions and hydrogen release for zirconium metals and silicon carbide under severe accident conditions

町田 昌彦; 中村 博樹; Srinivasan, S. G.*; Van Duin, A. C. T.*

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 4 Pages, 2015/05

ジルコニウムは燃料被覆管として広く用いられ、その機械的及び熱的性質は様々な実験によって調べられてきた。特に、過酷事故時の高温高圧時におけるジルコニウムの酸化反応は重要な課題であり、酸化により生じる水素発生の問題は、福島原発事故に見られるように水素爆発を誘発するため、極めて重要な材料学上の課題として認識されている。したがって、最近では耐酸化材量として水素発生量が少ないシリコンカーバイド等の代替材料が研究されている。そこで、本研究では、原子・分子レベルのシミュレーションによって、これらの材料の高温高圧下での酸化反応を追跡し、界面にてどのような反応ダイナミクスが起こるかを化学反応分子動力学法を用いて調べた。その結果として、両者が同じ高温高圧条件下でどのような反応を示すか、その特徴が分かり、その反応進展過程と水素発生量とを比較解析することができた。本発表では、それらのシミュレーション比較結果を示し、酸化被膜が原子・分子レベルでどのように変化し、水素がどのような過程の下発生するかを明らかにする。

論文

Durability test of irradiated rock-like oxide fuels

蔵本 賢一; 白数 訓子; 山下 利之

Journal of Nuclear Materials, 319(1-3), p.180 - 187, 2003/06

 被引用回数:9 パーセンタイル:53.35(Materials Science, Multidisciplinary)

プルトニウム(Pu)の需給状況に柔軟に対応できる利用法の一つのオプションとして、現行の軽水炉中でPuをほぼ完全に燃焼でき、使用済燃料を安定な廃棄物として直接処分できる岩石型燃料とその軽水炉燃焼技術の開発を進めている。この岩石型燃料の照射後の地質学的安定性を評価するために脱イオン水中で90$$^{circ}$$C,約6ヶ月間の浸出試験を行った。注目したのはマトリックス元素,TRU及び長半減期$$beta$$核種の浸出率である。Zr,U及びPu-239の浸出率は10$$^{-9}$$g/cm$$^{2}$$/dayのオーダーで極めて良好な浸出率であった。しかし、Yの浸出率は高く予想に反するものであった。また、揮発性のCsやIの浸出率は粒子分散型燃料で2-3倍ほど高く、FPガス放出挙動に見られるようにマイクロクラックを通じて拡散し、浸出液と接触しやすい箇所に析出したためと考えられる。

論文

Effects of heat-transfer on corrosion of zirconium in a boiling nitric acid solution

加藤 千明; 矢野 昌也*; 木内 清; 杉本 克久*

Corrosion Engineering, 52(1), p.53 - 67, 2003/01

沸騰硝酸環境におけるジルコニウムの耐食性に及ぼす伝熱の影響を各硝酸濃度で調べた。伝熱面及び等温浸漬面における腐食減量と電気化学的分極曲線を測定した。その結果、ジルコニウムの腐食速度は等温浸漬面よりも伝熱面の方が大きくなることが明らかになった。その速度は硝酸濃度と溶液温度の上昇により大きくなった。沸騰伝熱面における硝酸の酸化力上昇は、伝熱面上での熱分解による亜硝酸濃度の低下と沸騰バブルによって分解生成物が溶液から排出されることにより引き起こされる。沸騰伝熱面における12mol/dm$$^{3}$$硝酸水溶液の酸化還元電位はジルコニウムの一次不働態皮膜の破壊電位に非常に近づいた。これは、核燃料再処理プロセスの沸騰伝熱面において応力腐食割れが生じることを示唆している。

論文

沸騰硝酸環境におけるジルコニウムの耐食性に及ぼす伝熱の影響

加藤 千明; 矢野 昌也*; 木内 清; 杉本 克久*

材料と環境, 52(1), p.35 - 43, 2003/01

沸騰硝酸環境におけるジルコニウムの耐食性に及ぼす伝熱の影響を各硝酸濃度で調べた。伝熱面及び等温浸漬面における腐食減量と電気化学的分極曲線を測定した。その結果、ジルコニウムの腐食速度は等温浸漬面よりも伝熱面の方が大きくなることが明らかになった。その速度は硝酸濃度と溶液温度の上昇により大きくなった。沸騰伝熱面における硝酸の酸化力上昇は、伝熱面上での熱分解による亜硝酸濃度の低下と沸騰バブルによって分解生成物が溶液から排出されることにより引き起こされる。沸騰伝熱面における12mol/dm$$^{3}$$硝酸水溶液の酸化還元電位はジルコニウムの一次不働態皮膜の破壊電位に非常に近づいた。これは、核燃料再処理プロセスの沸騰伝熱面において応力腐食割れが生じることを示唆している。

報告書

セメント系材料に対する核種の収着データベースの整備

加藤 大生*; 嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫; 本田 明

JNC TN8400 2001-029, 63 Pages, 2002/01

JNC-TN8400-2001-029.pdf:1.81MB

TRU廃棄物の処分システムにはセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料には収着により核種の移行を遅延させる機能が期待されている。このため、TRU廃棄物の処分システムの評価においては、セメント系材料に対する核種の分配係数Kd が重要なパラメータとなる。セメント系材料に対する核種の収着に関する研究は、国内外で数多く報告されている。したがって、既存の知見を整理し、核種の分配係数を把握しておく必要がある。本報告では、性能評価上重要となるC, Cl, Ni, Se, Sr, Zr, Nb, Mo, Tc, Sn, I, Cs, Sm, Pb, Ra, Ac, Th, Pa, U,Np, Pu, Am, Cm 等の元素を対象として、セメント系材料に対する分配係数を文献及び内部実験結果から抽出・整理し、収着データベース(SDB)としてまとめた。SDB 整備の過程で、Se, Tc, Pa, U, Pu, Np 等といった実験雰囲気や酸化還元電位により化学形態が変化すると考えられる元素について、実験雰囲気が制御された条件で得られた分配係数はいくらかあるももの、酸化還元電位が制御された条件で得られた分配係数はほとんどないことを把握した。また、Se, Mo, Sm, Cm, Ac の分配係数がこれまで測定されていないことが分かった。これらの元素のうち、Se及びMo について、OPC(普通ポルトランドセメント)に対する分配係数をバッチ収着実験により取得し、SDB に反映した。

論文

Phase relation and EOS of ZrO$$_{2}$$ and HfO$$_{2}$$ under high-temperature and high-pressure

大高 理*; 福井 宏之*; 舟越 賢一*; 内海 渉; 入舩 徹男*; 亀卦川 卓美*

High Pressure Research, 22(1), p.221 - 226, 2002/01

 被引用回数:30 パーセンタイル:76.07(Physics, Multidisciplinary)

高温高圧下での酸化ジルコニウムと酸化ハフニウムの相関係と状態方程式を放射光設置のマルチアンビル装置を用いたX線回折実験により決定した。酸化ジルコニウムは、3-4GPa付近において、Baddeleyite 構造が、温度によって2種の構造に転移する。すなわち、600 $$^{circ}C$$以下では斜方晶相へ、600 $$^{circ}C$$以上では、菱面体相になる。両相とも12.5GPaで、PbCl$$_{2}$$型の別の斜方晶相へ転移し、この相は、24GPa ,1800$$^{circ}C$$まで安定である。一方酸化ハフニウムは、斜方晶相が4GPaから14.5GPa,1250-1400$$^{circ}C$$以下では安定であり、これ以上の温度では正方晶相へ転移する。14.5GPa以上ではコチュナイトタイプの別の斜方晶相へと転移する。

報告書

Ti-5%Ta製及びZr製酸回収蒸発缶の耐久性評価; 酸回収蒸発缶小型モックアップ試験設備による長期耐久性実証試験の総括

竹内 正行; 藤咲 和彦*; 根本 健志*; 小泉 務; 小山 智造

JNC TN8410 2001-013, 255 Pages, 2001/05

JNC-TN8410-2001-013.pdf:24.24MB

本耐久試験は東海再処理工場の当時のステンレス鋼製酸回収蒸発缶を非鉄材料のTi-5TaまたはZrに材質変更する計画の一環として進められた。この結果、Ti-5Ta製およびZr製酸回収蒸発缶小型モックアップ試験設備(処理能力:東海再処理工場の酸回収蒸発缶の1/27)の設計・製作、さらに本装置による運転試験を通して、Ti-5Ta製およびZr各材料がステンレス鋼に代わる新材料として、酸回収蒸発缶の製作性や機器性能の面で問題のないことが実証された。また、それまでのステンレス鋼製酸回収蒸発缶の大きな課題であった長期耐食性についても、コールド環境での評価であるものの、製作したTi-5Ta製およびZr製酸回収蒸発缶小型モックアップ試験設備がこれまでのステンレス鋼製酸回収蒸発缶の最大処理実績(約13,000時間)をはるかに凌ぎ、最終的には累積40,000時間に及ぶ両蒸発缶の長期耐久性が実証された。この運転期間中、大きな設備の異常や故障等は特に認められず、安定した運転を継続してきた。また、長期運転試験後の評価結果から、材料強度の問題を含めて両蒸発缶は健全な状態を維持していた。さらに東海再処理工場におけるステンレス鋼製酸回収蒸発缶の腐食故障の要因となった粒界腐食についても、Ti-5Ta製およびZr製酸回収蒸発缶全体を通じて観察されなかった。両蒸発缶の腐食量については、Ti-5Ta製蒸発缶の気相部においてわずかながら経時的な減肉傾向が認められたが、他の部位およびZr製蒸発缶では有意な減肉は認められず、全体的に腐食速度は両蒸発缶ともに0.1mm/y以下であり、優れた耐食性を示した。運転期間中、両構造材料は不働態を維持し、缶内に設置したテストピースの結果から、応力腐食割れの感受性も認められなかった。さらに、Ti-5Ta製蒸発缶で認められた気相部の減肉傾向から、統計解析法を用いてTi-5Ta製蒸発缶の装置寿命(腐食代1mm)を評価した結果、最低約55,000時間と見積もられた。以上の結果から、酸回収蒸発缶の装置材料としてTi-5TaおよびZrが適用可能であることが示されるとともに、特に長期耐食性の観点からは両材料ともに実績のあるステンレス鋼よりもはるかに優れていることが実証された。

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